数を増やす幼老複合施設とは

幼老複合施設という形の介護施設が今、数を増やしています。これまでの介護施設では、高齢者が好きなことをして過ごせるように、介護士がその生活をサポートすることが主流でした。しかしそれでは高齢者が普段の生活の中で自ら行動しなければならない活動が減ってしまいます。生活が楽になるといえば聞こえはいいですが、それはつまり活動できはない生活となってしまい、認知機能の維持などには貢献できず、高齢者たちの身も心もさらに老け込んでしまいかねません。

幼老複合施設では、そんな老人ホームと幼稚園をひとつの施設に作ります。幼児という存在が身近にいることで、高齢者の側にも世話をする側に回ってもらうことが目的であり、子供達の世話や昔ながらの遊びを教えるなどの機会を経て、いきいきと活動的になってもらうことが期待されているのです。四六時中子供達と一緒にいるわけではなく、決まった遊びの時間のみ子供達とふれあい、それ以外の時間はお風呂に入ったり、好きなことをして過ごすことになります。その生活のメリハリや曜日感覚を保つことも、認知機能の維持や改善に効果があると考えられているのです。

幼児の側にもメリットがあります。近年、核家族化が進行して、お年寄りと交流することが少なくなった子供達も多く、お年寄りとふれあうことに馴れていない子もいます。そんな子供達にもお年寄りとふれあい、馴れることで、人見知りを改善させたり、見知らぬ立場の人たちと上手くコミュニケーションをする能力を身につけていくきっかけにもなります。